静流は孤独だった。 　親友だと思っていた子とクラス替えで疎遠になってしまったから。 　自己主張が苦手な静流は新しいクラスでやっていけるか不安だった。 　そんな中、静流はかつての親友と作った秘密基地へと足を運んでしまう。 　そこで出会ったのは捨てられた子猫だった。 　静流は子猫を拾ってあげたいと思うが、マンション住まいの彼女にはそれも難しい。そこへやってきたのがクラスメイトの古宮落花だった。落花はクラスでも不思議な立ち位置にいる子で、静流とは正反対の性質を持っていた。そんな落花は「自分の家で猫を飼ってあげてもいい」と告げて、子猫と静流を自らの家へと招き入れた。 　きなこと名づけられた子猫を一緒に育てる約束をする2人。 　きなこの成長と共に、静流は落花の抱えている傷の存在を知る。 　そして他者との繋がりが生む痛みの存在も。 　これは三匹の捨て猫たちが織りなす可愛らしい百合の物語 　今作はシリーズの1巻であり、 　続刊である『子猫は願う、子猫の為に』がKindleにて配信中です。 　そちらも合わせてよろしくお願いします。