漫画二作、小説二作の全四編から織り成す、様々な教師と生徒の百合模様が楽しめる一冊です。 かんわ「上下関係」（漫画） 数学教師の『先生』は、廊下で怒気強く女生徒『西山さん』に声をかけられる。なぜ自分だけ授業中にあてるのかと彼女は怒るが、先生は微笑んで抗議を受け流した。あしらわれるかと思われたその時、西山さんは先生の手を引き、強引に人気のない場所へと連れて行く。 六馬「フィーネは遥けし」（小説） 活動停止中の高校生歌手・水鹿は、音楽の楽しさを教えてくれた澄子先生に再会する。非常勤講師となっていた彼女に、水鹿は昔のように演奏を聴きたいと頼むが、その旋律はあまりに高みに達していた。音楽の神に到れるであろう先生の才に、水鹿はある決意を固める。 しろちゃん「霧島とせんせい」（漫画） 小田切霞はある日、教え子の霧島に告白される。返事もいらないといった彼女の好意。先生として霞は考え続ける。移り気な彼女、気の迷いじゃないか…しかし、霧島は何度も愛とともに「先生」と呼びかけてきた。そして卒業の日。二人は言葉を交わす。 涼凪真一「春には雪の華が咲く」（小説） 留学生・春華（チュンファ）は憧れの元プロ選手新川深雪に投手の道を諦めろと告げられる。二年後、失意を超え高校一の打者に成長した春華は、プロ入りか進学か、進路を賭けて恩師深雪と一打席勝負に臨む。伝説対怪物。二人の想いがぶつかり合う。