アイドル出身の俳優ユジンは、大先輩とのベッドシーン撮影を前に、同じ俳優で友人のソンジュに助けを求めることになる。恋愛経験がゼロのユジンのお願いは、ただ一度だけ寝かせてほしいというものだった。 ソンジュは大したことではないと軽く承諾するが、友人としてしか見ていなかったユジンの秘密の素顔と生の表情を目の当たりにし、次第に微妙な感情を抱くようになる……。 *** 「ソンジュ、ちょっと助けてくれない？」 真夏の暑い日、ソファに座ってアイスクリームを食べていたソンジュがゆっくりと顔を向けた。すると、スプーンを持ったままもじもじしている白い顔が目に入った。 「うん、何？」 ソンジュは大したことではないと眉を上げた。視線を下に向けていた白い顔が唇を噛みしめ、やがて決意の表情で目を合わせてきた。 「まず約束して。絶対に取り消さないって？」 「うん、何なの？」 再び軽い承諾が聞こえ、小さな口元が少し緊張したようにゆっくりと開かれた。 「私と一度だけ寝てくれない？」 猫のような子役出身の俳優と、花鹿のようなアイドル出身の俳優の静かな恋物語。