「その時は、私を捨ててちょうだい」 淑やかに、だが力強く菊音はつぶやいた。 私はどうしたらいいのだろうか。 今はただ嫋やかな彼女の胸元にただ甘えながら、翻弄されるしか術を持たぬのであった。 菊花の宴。それは重陽の節句、別名「菊花の節句」 九月九日にふたりは約束へと至る。 旦那の母である菊音にただならぬ情を感じた鞠。 その優しい瞳と声にどこか安らぎすらも感じるその庇護と慈愛。 生けられる花々はふたりの逢瀬を彩っていく。 菊花の宴に至る九日間をそれぞれのテーマで描く和母性回帰百合小説。 母と子。本当と嘘。女性を愛するということ。忘却と記憶。そしてふたりの思いは未来へとつながっていく。 鞠から菊、そして掬へと至る物語。 私作「瑠璃色の牡丹」の系譜を受け継ぐ、嫋やかな淑女との甘く切ない恋模様。 菊の花を軸とした百花繚乱、花々が咲き乱れる光景を是非お楽しみくださいませ。 笹原たると様が艶やかな表紙を飾ってくださいました。ぜひとも仄香る和の艶やかさを感じてください。 本文:Lilium Anthems イラスト:笹原たると(@Taruto_ss)
(더 보기)「その時は、私を捨ててちょうだい」 淑やかに、だが力強く菊音はつぶやいた。 私はどうしたらいいのだろうか。 今はただ嫋やかな彼女の胸元にただ甘えながら、翻弄されるしか術を持たぬのであった。 菊花の宴。それは重陽の節句、別名「菊花の節句」 九月九日にふたりは約束へと至る。 旦那の母である菊音にただならぬ情を感じた鞠。 その優しい瞳と声にどこか安らぎすらも感じるその庇護と慈愛。 生けられる花々はふたりの逢瀬を彩っていく。 菊花の宴に至る九日間をそれぞれのテーマで描く和母性回帰百合小説。 母と子。本当と嘘。女性を愛するということ。忘却と記憶。そしてふたりの思いは未来へとつながっていく。 鞠から菊、そして掬へと至る物語。 私作「瑠璃色の牡丹」の系譜を受け継ぐ、嫋やかな淑女との甘く切ない恋模様。 菊の花を軸とした百花繚乱、花々が咲き乱れる光景を是非お楽しみくださいませ。 笹原たると様が艶やかな表紙を飾ってくださいました。ぜひとも仄香る和の艶やかさを感じてください。 本文:Lilium Anthems イラスト:笹原たると(@Taruto_ss)