あなたを愛することを許さない敵は、神か、王か、革命か。20世紀初頭、帝政末期ロシア。時代の悪意に翻弄された一人の女性の愛と復讐を、新鋭が描破する。破格の〈帝政ロシア百合〉長篇。 「ひとしずくの力は、暖かな奇跡も胸躍る活劇も与えなかった。帝国の滅びゆく時、愛する者を奪われ、運命に翻弄された女性――器用には生きられなかった魂の、儚き彷徨の記録。」 ――伴名練氏(『なめらかな世界と、その敵』) ◎装画=shirone ◎装幀=名和田耕平デザイン事務所