「安達としまむら (10)」表紙
連載中小説

安達としまむら (10)

私は明日、この家を出ていく。しまむらと一緒に暮らすために。私もしまむらも、大人になっていた。 「あーだち」  跳ね起きる。 「おぉでっ」  派手に後退した私を見て、しまむらが目を丸くした。両手をおどけるように上げる。下りて目にかかる髪を払いながら、左右を見回して、ああそうだと理解していく。マンションに移り住んだのだった。二人きりなのか、これからずっと。 「よ、よろしくお願いします」 「こっちもいっぱいお願いしちゃうので、覚悟しといてね」  私の世界はしまむらですべてが出来上がっていて、これからの未来になにも不安などないのだ。

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安達としまむら (10)

私は明日、この家を出ていく。しまむらと一緒に暮らすために。私もしまむらも、大人になっていた。 「あーだち」  跳ね起きる。 「おぉでっ」  派手に後退した私を見て、しまむらが目を丸くした。両手をおどけるように上げる。下りて目にかかる髪を払いながら、左右を見回して、ああそうだと理解していく。マンションに移り住んだのだった。二人きりなのか、これからずっと。 「よ、よろしくお願いします」 「こっちもいっぱいお願いしちゃうので、覚悟しといてね」  私の世界はしまむらですべてが出来上がっていて、これからの未来になにも不安などないのだ。

入間人間
入間人間⌃0作品数 14個
raemz
raemz⌃1作品数 2個
金子志津枝
金子志津枝⌃2作品数 1個
のん
のん⌃3作品数 6個

安達としまむら (10)

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