頬に触れる小さな手の温もりに安心しながらも、首を絞める罪悪感に憎しみが燃え上がるのは、奇妙なことではなかった。 アガレットを侵略した皇帝に追われるアガレットの第二王女チェルシアは、自分の代わりに命を捨てた者たちのおかげで生き残る。しかし、奴隷となった彼女は肉体的にも精神的にも厳しい生活を始める。唯一の夢は皇帝に復讐することだけで、辛い日々を送る彼女に偶然出会った帝国の皇族シシルは、小さな温もりを与えてくれる。全てを捨ててでも命を救うべきだとアドバイスしつつ、彼女をさりげなく気遣うシシルと、そんなシシルにドキドキするチェルシア。そしてチェルシアはシシルの正体を知らないまま帝国の地に足を踏み入れることになる……。